飲んで摂るイメージのビタミンCも化粧品に配合?
無添加化粧品に配合される事のメリットや効果について
カテゴリ:【 美容成分の知識 】
化粧品を選ぶ際には、色々な成分が配合されていて特徴から選ぶ事も多いかと思います。
そんな中でも非常に多くの化粧品で使われる成分の1つが、今回解説しているこの「ビタミンC」ではないでしょうか。
ビタミンCは、美白のケアなどの時によく使われる成分です。
ただ実際には成分にビタミンCと書かれる事はなく、アスコルビン酸と記載されています。
化粧品にビタミンCを配合する効果やメリット
最近ではお肌のためにビタミンCを配合!というキャッチもよく見かけるようになりました。
特に、美白ケアには欠かせないといってもいいのかもしれません。
そんなビタミンCですが、疲労回復やメラニン生成の抑制といった効き目を持つと言われています。
また、細胞の再生などの働きもしています。
特に最近では美顔器などの普及などにもよって、ビタミンC誘導体入りの化粧水が普及しました。
これは、イオンの力を活用して、有効となる成分を肌の奥まで届けて、より効果を高めてくれる美容法の一種になります。
水溶性ビタミンC誘導体、油溶性ビタミンC誘導体について知っておく
今や、ビタミンCが配合された化粧品は豊富に出ています。
ただ、実際のところ化粧品に含まれているのは、実はビタミンCではなく、水溶性ビタミンC誘導体、油溶性ビタミンC誘導体となっている事が多いのをご存じでしょうか。
では、なぜビタミンCそのものが配合されないかという点ですが、その理由は不安定だからという事があります。
ビタミンCは、そもそも非常に酸化しやすい特徴を持ちます。
水に溶けてしまうと1週間から長くても2週間ほどで、その効果が無くなってしまうのです。
そのため、ビタミンCは非常に有効な成分であるとわかっていながらも、化粧品に配合したとしてもビタミンCの効果を得られにくいというデメリットがありました。
これではせっかく化粧品に配合しようとしてもすぐ効果が無くなってしまう。という事では意味がないという事で、そのため、誘導体としてビタミンCを化粧品に配合します。
そもそも誘導体とは何でどういうものか
とはいえ、ビタミンC誘導体の誘導体って何?聞いた事も無いけど…という方も多いはずです。
誘導体というのは、簡単に言えば、酵素反応が起きた時に、ビタミンCになるものの事を言います。
簡単にまとめてみれば、ビタミンCが肌に浸透しやすくするために人工的に加工し改良されたものというとイメージしやすいかと思います。
ビタミンC誘導体のおかげで、ビタミンCを安全に、安定的に、そして効果的に肌へと浸透させる事が可能になりました。
例えばビタミンCそのものを皮膚に塗ったとしても実は皮膚への浸透はあまりされないのが現実です。
これは、先ほども述べたように、成分が壊れやすく不安定という事が原因です。
逆に、ビタミンCを「ビタミンC誘導体」として改良させた後であれば、皮膚に浸透するというだけでなく、皮膚に浸透してからビタミンCへと変化する特徴があるのです。
ただ、またややこしい話にはなりますが、ビタミンC誘導体にも実は種類があります。
それが、「水溶性ビタミンC誘導体」と「油溶性ビタミンC誘導体」です。
水溶性ビタミンC誘導体
この水溶性のタイプが一般的によく知られており配合される事が多いです。
さらっとしていて皮膚に短期間で吸収されるため、即効性が高いというのが大きな特徴となります。
通常のビタミンCよりも高い浸透性があり、持続性も高く、特に先ほど述べたように即効性が高いというメリットがありますが、一方で皮脂の分泌を抑えるという作用もあるため、乾燥しやすかったり刺激を受けやすかったりするため肌のタイプによっては注意も必要です。
主に化粧水、美容液などに配合される事が多くなり、配合される際の成分名としては下記の通りです。
- リン酸アスコルビルMg
- リン酸アスコルビルNa
- アスコルビル酸グルコシド
油溶性ビタミンC誘導体
名前の通り、ビタミンCに油を結合させたもので水溶性ほどの即効性はないですが、浸透性や持続性が水溶性よりも高くなる特徴を持ちます。
主にクリームやジェルタイプの化粧品に配合される事が多くなり、配合される際の成分名としては下記の通りです。
- テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(VC-IP)
- パルミチン酸アスコルビル
新型ビタミンC誘導体
さすが研究開発などが進む現代では、この水溶性と油溶性のメリットを合わせて活かし、デメリット部分を補うものが開発されていて、それがこの新型ビタミンC誘導体です。
浸透力が抜群とも言われており、角質層への浸透も優れ水溶性の100倍とも言われるほどでありながら、即効性も高いという非常に優れたものになります。
ただし、その分だけやはり高額になるというデメリットがあり、配合される際の成分名としては下記の通りです。
- (APPS)パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na
名前の通り、油溶性のパルミチン酸とリン酸Naが結合した成分となっています。
3つを簡単に比較するとなると下記の通りです。
誘導体の種類 | 浸透性 | 持続性 | 即効性 |
---|---|---|---|
水溶性ビタミンC誘導体 | ○ | ○ | ◎ |
油溶性ビタミンC誘導体 | ◎ | ◎ | ○ |
新型ビタミンC誘導体 | ◎ | ◎ | ◎ |
結局のところビタミンC配合の化粧品は良いのか?
実際のところは、諸説色々というのが実情ではあります。
事実、肌の特徴やその人に合う合わないなどもあるので、何とも言えないかもしれません。
- 肌に塗るのは意味がない
- 飲む方が効果的
といった声がある一方で、
- 誘導体で肌の深層に届けると良い
- 水溶性は肌に優しい
- 油溶性は皮脂と馴染みやすく肌に届きやすい
といったような相反しそうなものもあり、諸説色々あるといったところです。
配合の有無だけでなく、配合量にも気をつける
ビタミンC誘導体の化粧品を選ぶ時、配合されているかどうかだけでなく、その配合の量もチェックするようにしなければなりません。
そもそも、ビタミンCは酸が強いものになります。
ですので、人によっては、肌に刺激を感じるという方もいるかもしれません。
ビタミンC誘導体は、配合される量が多ければ多いほど、効果も期待できますが、その分だけ刺激も強くなる可能性が高くなります。
医療用では5%~、エステなどではそれ以上の7%の濃度のものを使うとも言われていますが、どのビタミンC誘導体かでも変わり、一般的な化粧品であれば3下記の配合率を目安にすると効果という面では期待できるのではないかと考えられます。
種類 | 配合の率の目安 |
---|---|
水溶性ビタミンC誘導体 | 2~5% |
油溶性ビタミンC誘導体 | 5~10% |
新型ビタミンC誘導体 | 0.5~1% |
ただし、化粧品には成分の表示義務はあっても、濃度の表示義務はありません。
気になる場合は、サイトのチェックや成分のチェック、載っていなければ公式サイトで問い合わせなどもするようにしましょう。
配合量が多ければその分だけ美容への期待もできるため、多くの場合は○%といった表記がなされており、していない場合は配合されていたとしても少ない率という可能性が高くなります。
そういう事を踏まえて、自分の肌にあうかを考えていくようにしましょう。