ハイドロキノン化粧品の美白への効果や
濃度の注意点や副作用とハイドロキノン誘導体との違い
カテゴリ:【 美容成分の知識 】
世の中には、名前は似ているけれど、実際には似ているどころか全然違うものというものが多々あります。
今回ご紹介するのもその1つで「ハイドロキノン」になります。
ハイドロキノンについては美白に興味がある方であれば聞いた事があるという方もいるかもしれません。
同じように、そのハイドロキノンと似た名前の「ハイドロキノン誘導体」というものも今では存在しています。
この2つの成分は名前も似ているのですが、少しややこしく注意が必要だったりする面もあるためしっかり見ておきましょう。
ハイドロキノンについて
ハイドロキノンというのは、フェノールと呼ばれる物質を酸化させることで生成されます。
シミや色素沈着の改善への効果が期待できるという面があり、医薬部外品の美白剤などにも処方されているものになります。
美白について調べていると、一度くらいはこのハイドロキノンに行き着くのではないでしょうか。
それほどに、美白という観点において強力な成分です。
しかしながら、このハイドロキノンは、その漂白の作用について、非常に強力すぎるという側面を持ちあわせています。
昔はほくろの色が取れると言われるほどだったそうです。
この漂白が非常に強力という面が、色々とやっかいでもあり注意が必要になるのです。
ハイドロキノンは濃度に注意!特に敏感肌は要注意
非常に漂白作用が強力なハイドロキノンは、米国では、ハイドロキノンが配合されるクリームなどで2%の配合量を越えると、医師の管理下で処方しなければならないという厳格な管理がなされています。
そもそもここ日本においても、もとはハイドロキノンが配合された製品は皮膚科などの医療機関でしか入手する事は認められていませんでした。
ですが、薬事法が改正された事に伴って、今では化粧品に配合する事が許可されるようになっています。
ハイドロキノンはこのように美白に対する効果としては非常に期待ができます。
しかしながらその一方で、肌に対する刺激も比例して非常に高くなってしまう注意点を持ち合わせています。
特に敏感肌の方など肌への刺激を気にしている方には、あまりおすすめできる成分ではないともいえるかもしれませんし、選ぶにしても注意をし慎重に選ばなければならない成分でもあります。
それほど、ハイドロキノン配合の化粧品選びにおいてはこの配合濃度をチェックしなければならず、非常に重要な指標になります。
配合濃度については、1~3%なら刺激も少なく良いという意見がありますが、肌は人それぞれで異なりますので、一概にそうとも言い切れません。
もちろん配合濃度が高ければ高いほど、美白への効果は期待できますが、その濃度が高まった分だけ肌への刺激も高くなるいわば諸刃の剣的な要素を含んでいます。
また、副作用というのは語弊があるかもしれませんが、ハイドロキノンを高濃度に配合されたものを使い続けると、肌に白斑ができるという事例が紹介されている事もあります。
アメリカなどでは、最初に書いたように2%までの配合が許可されており、2%以上の濃度の場合は医療機関での処方と決まっていますから、ハイドロキノンは濃度にはくれぐれも注意しなければなりません。
トレチノインとの併用が良いが国内の化粧品では出来ない問題点
ハイドロキノンは実はトレチノインという成分との併用が良いと言われています。
実際、美容クリニックや皮膚科などでも美白関連の治療においては、この2つを併用する事が多いです。
ですが、ここに大きな罠があり、ハイドロキノンは化粧品への配合が認められていますが、トレチノインは医薬成分となるため化粧品への配合が認められていません。
そのため、ハイドロキノンとトレチノインが両方とも配合された化粧品というのは国内の化粧品では存在せず、医療機関でしか処方・販売ができないという仕様になっています。
また、トレチノイン成分は医療成分のため、美白といった美容目的の場合は、保険が非対応となるため、非常に高額になってしまうというデメリットもあります。
そのため現在の主流となっているのが、国内ではなく海外で販売されている化粧品を使うというものです。
海外ではトレチノインを化粧品に配合するのも問題ないため、ハイドロキノンとトレチノインが配合されたクリームなどの化粧品を、海外から輸入したものが市場に出ているという形になります。
ただし、このあたりは完全自己責任となるため、あまりオススメできません。
販売しているところも、あくまでも輸入代行というスタンスを取るところがほとんどで、あくまでも海外の商品を輸入する依頼を受けて輸入を代行したという流れになっています。
そのため、少なくとも使うとしても、その前に一度は皮膚科や美容クリニックなどの相談の上で利用するべきだと言えます。
こういった事から、ハイドロキノンは賛否両論の成分でもあり、人によって絶賛から酷評まで様々な成分となっています。
ハイドロキノン誘導体について
先ほどのハイドロキノンに対して、ハイドロキノン誘導体も存在します。
この2つは、名前は非常に似てはいるものの、全く別のものとして考えなければなりません。
ハイドロキノンに似せて作ってはいるものの、ハイドロキノンのデメリットでもあった「安全性」の面を高めている物質になります。
以前にも紹介した、アルブチンという成分があり、このアルブチンには2種類の「βアルブチン」と「αアルブチン」が存在しますが、αアルブチンがこのハイドロキノン誘導体になります。
少しややこしく感じるかもしれませんが、ハイドロキノンとグルコース(ブドウ糖)をα結合させる事でできるのが「αアルブチン=ハイドロキノン誘導体」になります。
ハイドロキノンからさらに安全性を高め、効果が高まっているのが誘導体になります。
ハイドロキノン誘導体の効果としては、シミや肝斑などにも効き目が期待出来るとして人気を集めています。
ハイドロキノンとハイドロキノン誘導体(αアルブチン)の違い
このようい名前は似ているのですが、役割が異なります。
ハイドロキノンは先ほども説明したように、美白効果が非常に期待でき、特に既にあるシミやなどを薄くしたい時に効く成分です。
一方、ハイドロキノン誘導体は、既にあるものに効くのではなくメラニンの生成などを抑えるシミなどの予防的な効果に効く成分です。
簡単にまとめた比較をしておくと、
主な目的として、今あるシミへの対策がハイドロキノンで、これからのシミへの予防がハイドロキノン誘導体です。
非常に強力で副作用的な面もあるのがハイドロキノンで非常に穏やかなのがハイドロキノン誘導体になります。
非常に似た名前ですが、役割も用途も異なるので間違いの無いよう、自分にあった化粧品選びをしていきましょう。