アルギン酸ナトリウム(Na)が配合された化粧品の効果やメリットと注意点について
カテゴリ:【 美容成分の知識 】
今回の美容成分として取り上げたのは「アルギン酸」になります。
実際には、アルギン酸は市場に流通しているもののほとんどが「アルギン酸ナトリウム」になります。
アルギン、アルギン酸などと色々な呼び名が使われている事もありますが、多くはこのアルギン酸ナトリウム(アルギン酸Na)を指すことが多いです。
こんなまるで理科の授業でも受けたかのように錯覚しそうになる今回のアルギン酸ナトリウムですが、化粧品には非常に役立つ成分でもあり、最近では乳液やクリームなど使われる化粧品も増えてきています。
そんなアルギン酸ナトリウムについて見て行きましょう。
水に溶けると粘り気が出る水溶性高分子
このアルギン酸Naの特徴としては、水に溶けると粘り気が出るという水溶性高分子の一種になるという事が挙げられます。
海藻だったり、藻を触るとぬるぬるして気持ち悪い!といった経験をした方もいるかもしれませんが、これこそがアルギン酸ナトリウムの影響によるものになります。
そして、この特徴を化粧品に配合する事で活かしている事があり、このアルギン酸Naの特徴を以下のようなシーンで活かすことができます。
- ファンデーションの結合剤
- 乳液やクリームの乳化剤
- マッサージ用のジェルやパックなど
アルギン酸Naには毛穴の奥の汚れまで落とせる働きが期待できます。
また、それだけでなく同時にお肌の新陳代謝を促してくれる効果も期待でき、洗顔としても使われるようになってきています。
クリームなどに使われる場合は、粘り気などの性質が逆に肌を摩擦から守ってくれます。
このように、今ではアルギン酸Naの成分は化粧水だけに限らず、洗顔料や乳液など、さらには化粧品だけでなく石けんやシャンプーなどなど、幅広い分野で使われています。
アルギン酸Na化粧品で期待できる効果や効き目
アルギン酸は今まで解説してきたように、とにかくぬめりが絶大です。
そのため、これらを化粧品に活用する事によって、粘り気などに大きな期待ができ、特に「保湿」の成分としての期待ができます。
乳化剤などは石油系のものが今でも多くあります。
石油系のものは大量生産でき安く仕入れられるので使われる事も多いのですが、肌の事を考えれば、当然それらの石油系のものより、自然由来としてオーガニック系の化粧品などにも使われたもののほうが安心です。
海藻などから抽出される「天然成分のアルギン酸」であれば、このあたりもクリアにでき肌に優しく保湿が期待できるようになります。
アレルギーなどもなく再生医療の分野でも活躍中
アレルギー反応を引き起こすこともなく、天然系の原料が由来という成分になりますから、お肌に優しい化粧品を謳うメーカーなどに使われる事が多いと言えます。
ですが、実はこのアルギン酸Naは特に高度に精製された場合、医薬品や医療系の材料などでも使われます。
専門的に言えば、「ファインケミカル」と呼ばれる分野でも、このアルギン酸Naは利用されているものになるのです。
特に、最近では、再生医療の分野でこのアルギン酸Naの活用が期待されていると言われています。
また、当サイトは無添加化粧品の解説のサイトになるため、化粧品的な用途での解説をメインにしていますが、実はこのアルギン酸ナトリウムというのは、食品添加物としても使われています。
- ソフトクリーム
- 人工イクラ
- 人工フカヒレ
などにも使われており、ソフトクリームであれば、特徴をうまく活用して食感を良くしますし、色々な食品にも使われていますので、安心して取り入れられる成分だというのが分かります。
配合成分される際の表記はそのままアルギン酸Naとして
多くの成分は配合された際に違う成分名として記載される事が多くあります。
これは致し方無い部分もありますが、ユーザー側からしてみればわかりにくい事この上ありません。
正しく配合されているかの確認に、いちいち違う成分名を探すのも面倒ですし手間がかかります。
ですが、アルギン酸Naに関しては、化粧品に配合された時でも、成分表にはそのまま「アルギン酸Na」として表記されますので迷う事無く確認ができます。
化粧品だけではなく、医療分野や食品分野でも使われる成分で、まだまだ化粧品に配合される事は多くないかもしれませんが、今後も配合化粧品は増えてくる事が期待できますので、覚えておいて損の無い成分だと言えます。