よく見かけるモンドセレクション受賞の文字。
受賞している化粧品が安心安全の証というわけではない

カテゴリ:【 化粧品の知識

今の日本において、モンドセレクション受賞は非常に知られた賞の1つです。
これは化粧品に限った事ではなく、今ではあらゆるジャンルにおいて「モンドセレクションを受賞しました」という事が宣伝文句の1つとして使われています。

ですが、改めて考えて欲しいのですが、そもそもモンドセレクションはどういうもので、モンドセレクションを受賞した事というのは、本当に商品が優れている、信頼できるという証なのかという点です。

実はモンドセレクションを気にしているのは日本だけ?

モンドセレクションは海外で行われているものですが、多くが日本企業が取得を目指しています。
そして、受賞を目指すための、モンドセレクション用のコンサルティング企業や、代行出品などをする企業があるくらい、日本では1つのビジネスとして成り立っている状態です。

ですが、海外の同じようなジャンルの人達は、それほどというか、ほとんどモンドセレクションを受賞しているわけでもないし、重要視もしていません。

2016年に応募があったのが2938商品です。
そのうち、モンドセレクション受賞を獲得した製品は、2938商品中、2618商品で応募の89%もの商品が受賞している計算になります。

さらに、なんと2618商品のうち、2117商品がアジア地域での受賞になり、全体の8割をアジア(主に日本)が占めているのが実情です。

そもそも、モンドセレクションは品質や安全の証ではない

モンドセレクションで、一番の大きな勘違いがこれです。
よく、受賞したから良い商品なんだと勘違いしてしまう方がいますが、大きな間違いです。

モンドセレクションとは、商品だけを見るわけではありません。
公式サイトにも記載がありますが、

  • 使用成分のリスト
  • 強調表示の形式と内容
  • 製品の効用に関する正しい説明
  • 表示の根拠およびコンプライアンス
  • 使用上の注意
  • 強調表示と製品に含まる成分の整合性
  • 製品の革新的要素
  • 消費者向けに謳われている製品の科学的効用性
  • 謳われている効用が期待できるだけの有効成分が配合されているか
  • 使いやすさ(爽快感、香り、質感、浸透率)
  • 肌への優しさ
  • 試用テストに基づく製品の一般的効用性

といったように、商品の良さなどをみるのではありません。
商品の説明と、整合性がとれているか、それが正しいかといったところに重きを置いています。

ぶっちゃけて言えば、使いやすさといったような、個人の裁量でしかないものも入っていたりします。
もっと言えば、上記をどうテストするかは書かれていませんが、薬事法を正しく守ってやっていれば簡単に受賞できそうなイメージを抱いてしまいます。

受賞も実は4つのランクに分かれている

モンドセレクションは、受賞と言っても、実際には色々な賞があり、金賞や銀賞とランクによって分かれています。

銅賞60%以上の点を得た商品
銀賞70%以上の点を得た商品
金賞80%以上の点を得た商品
最高金賞90%以上の点を得た商品

見ても分かる通り、逆を言えば銅賞の場合、3割以上が賞に満たないと判断している商品でもあるわけです。

評価は相対評価ではなく絶対評価で、点数を満たせば全て受賞する

先ほどの点数と賞の詳細を見ればわかりますが、評価は相対評価ではありません。
申し込まれた中でどれが最も優れているかといった比較ではなく、その商品だけで考えて評価されます。

そのため、最高金賞という名ではありますが、「最高=最も優れている」にも関わらず、何商品も選ばれる事があります。
実際、2016年もそれ以前も、化粧品ジャンルでも最高金賞は複数商品に与えられています。

そもそも日本人は権威に弱く利用されやすい

私たち日本人の特徴でもありますが、何かしらの権威や箔に弱いという点があります。

裏取りをしない方が多いのもこの流れを後押ししていますが、モンドセレクションに限らず、何かしらの受賞!という文字やキャッチコピーをみただけで、即座に良い商品なんだ。という考えを抱いてしまいがちです。

ですが、企業だって商売をしています。
色々なマーケティング戦略をしますし、モンドセレクションだってその一環です。

勝手に向こうから審査が来てあなたの商品が受賞です!というわけではなく、お金を払って自分たちで申請し受賞を目指しているのを忘れてはいけません。

日本人は、性格的にランキングを好み、○○受賞と書かれていたりすると、その事を何も知らなくても、「あ、凄いんだな」と勝手に認めてしまいがちです。

ですが、モンドセレクションは、選ばれた=高品質を証明するものや、安全を証明するものではありません。
書かれている成分と、使っている成分に違いはないかといった整合性であったりと、実は全然違うところで認められている事もあるのです。

むしろ、多くの企業が受賞していますが、なぜ受賞できたか、その審査の詳細をしっている方はほとんどいない、むしろわからないと言ってる企業も多いほどです。

なぜなら、モンドセレクションが審査の基準や詳細をきちんとデータとして公開などを一切していないからなのです。

受賞をメリットに選ぶのは辞めてしっかりチェックする事を心がけて

当然ですが、モンドセレクションを受賞した企業は、大々的にモンドセレクション受賞!と謳いますし、CMなどでもよく見かけますよね。
ですが、それを化粧品を選ぶ理由にしてはいけません。

先ほども言いましたが、品質が良いという保証をするわけでもありません。
事実、モンドセレクション受賞している製品で、トラブルを起こしているところもあります。

アレルギー問題で社会的な問題で訴訟問題にまで発展している某「茶のし○く石鹸」などは、あれもモンドセレクションを過去に受賞しています。

受賞はある程度の一定ラインを示すものではあるものです。
ですが、受賞は応募の8割以上が受賞しているのが現状であり、最高金賞も何商品も選ばれている賞でもある事を知っておく必要があります。

受賞しているから安全で安心だという証ではない事をしっかりと理解しておきましょう。

無いよりはあった方がいいし、審査をクリアしているからある程度の商品だとの判断はできるかもしれませんが、受賞したから、良い商品だ、品質が素晴らしいといった事を証明するものではない事を覚えておきましょう。

ただ、試しにモンドセレクション受賞などで検索してみれば、いかに多くの商品が受賞しているのか、本当に厳格な審査なのか?と疑わずにいられない数が登場します。

このテーマに関する管理人からのワンポイントメッセージ

昔とは違い、今ではモンドセレクションの実情を知っている人も多いです。
ですが、それでもまだまだネットをしない層を中心に、ベルギー団体の賞を受賞してるし凄いのね!と勘違いする人も一定数います。

モンドセレクションはいわばビジネスのための箔付けのための賞でしかないと管理人は思ってますし、全く受賞してるかどうかなどは無視しています。

むしろ、応募して最高金賞(100点中90点以上)を取れていないという事は、モンドセレクションの審査ですら、10点以上落としているという穿った目で商品を見るようにしています。

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