ノーベル賞受賞成分と話題のEGF
そんなEGFについてと配合化粧品の効果やメリット

カテゴリ:【 美容成分の知識

今回のEGFは、最近では配合された化粧品が多く見かけられます。
特に化粧品に配合された際に、多くのメーカーなどが【ノーベル賞受賞成分】といったキャッチフレーズも付いてくる事が多いです。

こういったキャッチは残りやすく、インパクトがあったりして聞いた事がらう、覚えてるという方もいるかもしれません。

そんなEGFですがキャッチは少しいきすぎ感はありますが、なかなかに優れた成分の1つです。
昔では不可能だったものも、技術の進歩なども非常にめまぐるしく進んだ現代では、非常にリーズナブルでありながら、非常に効果も期待できるといった成分が出てきています。

今回のEGFも、その1つと言えるのでしっかりと確認しておきましょう。

そもそも「EGF」って何なのか?

EGFは、アメリカの生物学者のスタンレー・コーエン博士という人物によって発見されたもので、正確には「Epidermal Growth Factor」が省略された文字になり、ヒトオリゴペプチド-1という名称になります。

そのため、EGFが化粧品に配合された時も、EGFという表記ではなくこの「ヒトオリゴペプチド-1」といった表記で成分表には記載される事になり、2005年に化粧品への配合を厚生労働省が認可した比較的新しい美容成分の1つになります。

ただし、2013年に成分表示名の改正が行われていて、「ヒトオリゴペプチド-1」から「ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1」へと変更になっています。
ただの表示名の改正のため、名前が違うだけで、差はありませんが、どちらが表記されているかは商品によって変わりますので注意しましょう。

実は、私たちの肌にもとからあるもの

Epipdermal Growth Factorとは、「上皮細胞増殖因子」と言われています。
これだけではわかりにくいかもしれませんが、実はこのEGFというのは特別な成分なわけではなく、私たち人間の体の中に誰もが持っている成分なのです。

もっと簡単に言えば、タンパク質の一種で53個のアミノ酸が繋がっています。
私たちの肌にも含まれていますし、唾液や母乳などにも含まれている成分なのです。

このEGFというのFは、元はお肌の細胞などの回復を促進させるために研究されていた成分でした。
例えば、火傷を負ったり、傷を負った肌の皮膚を再生させるためや、皮膚を移植させる、角膜の切開などの回復のために研究されていました。

皮膚や粘膜などの細胞にある「上皮成長因子受容体」と結ばれる事で活性化させます。
それによって、新しい細胞を作ったり、細胞を増加させたり、正常通りにに働くために調節をしてくれる働きがあるのです。

私たちの肌にもEGFがあるのになぜ摂取するのか

先ほどEGFは特別な成分ではなく実は私たちの肌に既に含まれていると書きました。
では、なぜ私たちの肌に既にあるこの「EGF」をわざわざ化粧品のために研究し配合をしているのでしょうか。

EGFは加齢と共に減少するから補う必要がある

その理由がこれで、誰もが持っているこのEGFは、残念なことに加齢とともに分泌量が減っていく事がわかっています。

皮膚のターンオーバーというのは、一般的に若い皮膚の場合は28日周期で行われます。
しかしながら、年を取ってくると、このターンオーバーの周期が少しずつ遅れて延びていってしまうというのは既にご存じの方も多いと思います。

この遅れてしまう原因の1つに、EGFが減少してしまうためと言われています。

そのためEGFを化粧品に配合する事で、この減少するEGFを補う事ができ、肌の新しい細胞生成を促す事が期待できるため、遅れてしまう肌のターンオーバーを正常な周期に戻す役割を担ってくれます。

EGFが化粧品に配合される事で期待できる効果とは?

もともとEGFはヤケドの治療や肌や皮膚の再生などの医療目的で使われていて研究されていた成分です。

ヤケド治療などの医療目的というのは、血流を良くしたり、やけどなどで壊れた血管を修復させたり、コラーゲンの生成を促進するといった働きも持っています。

そういった面で活用されていたのが、今は化粧品に配合されるようになり、同じような効果を期待されています。

シワの予防や改善や肌の再生をはやめる

肌の表面=上皮の細胞をEGFが活性化させます。
それによって、新しい細胞の生成を促し、成長させることでシワを予防し改善する効果が期待できます。

同じく肌の表面の上皮の再生機能をEGFが助けてくれるため、肌の傷などの回復を助けてくれたり、傷痕の再生などを早めてくれる期待が持てます。

細胞機能の正常化による肌トラブルの抑制

EGFによって、肌の表面の細胞機能を正常化に近づけます。
そのため、ニキビなどに代表される吹き出物といった肌トラブルを抑制してくれる働きが期待できます。

また肌にうるおいを与え乾燥を予防し、きめ細やかな滑らかな肌への期待が持てます。

肌のターンオーバーを活性化する

最初にも述べたようにEGFが減少する事で遅れる肌のターンオーバーを正常な周期に近づけます。

肌の新陳代謝を活性化させることで、健康的な角質をつくっりシミやくすみの改善などの効果が期待できます。

もともとは医療用であったため、EGFは非常に高価なものでした。
しかしながら、最近では技術の進歩によって、比較的安価で大量に作り出すことが可能になりました。

こういった背景もあり、EGF配合の化粧品は非常に多く増えてきています。

EGF化粧品はEGFが配合される量に要注意

非常に有能で期待されている成分でもあるEGFですが、化粧品に配合されていれば良いというわけではありません。
絶対に知っておかなければならない注意点があります。

それが、EGFは一定以上の量を使わなければ、EGFの効果や効き目は出ないという事が判明しているという点です。

そのため、EGF配合という化粧品でもその量を確認しなければ意味がありません。
EGF配合という事であっても、極々少量などであれば、配合されていてもそれには全く意味があまりないという事にもなりかねません。

現状ではEGF配合に関して、法律的に○g以上配合しなければいけないといった事は当然決められていません。
ほんの少量でも配合していれば、EGF配合と言えてしまうのが現状ですから、悪質業者に騙されたりしないように注意が必要です。

EGF配合量の目安は日本EGF協会によって定められている

しかしながら、もちろん真っ当なところがこうした事態に何も対策をしていないわけではありません。

今では日本EGF協会というしっかりとした協会が出来ています。(サイトが古くさいのが残念な点ですが…)

そして、この日本EGF協会によって、EGFを配合する量が定められています。

化粧品の容量EGF配合量
1ml(1g)当たり0.1μg(マイクログラム)

この基準を下回っているような配合量の化粧品はEGFの恩恵を受けられないという事でもありますので、この配合量はしっかりと注意しておきましょう。

協会認定の制度もあるけれど、ハードルは高い

また、今ではこの協会によって、EGFの効果をしっかりと出せると判断できた化粧品には認定マークを付ける動きも始まっています。
認定を受けた化粧品には、下記のようなマークが付与されていて、商品パッケージなどにも印刷されています。

ただし、現状では申込に10万円、審査費用に30万円が必要です。
さらには協会認定の登録には1つ目の化粧品なら50万円、2個目以降の化粧品でも各25万円が必要なため、小さな会社では出す事も厳しいかもしれません。

現状EGF協会認定の化粧品もあるにはありますが、上記の価格が必要なため難しいメーカーなどが多いのも実情です。

そのため、EGFに関しては認定マークの有る無しで判断するのではなく、配合量が基準値より上回っているかをしっかり確認する事が大切と言えます。

EGFの配合量は多いほど効果があるわけでもない

また、EGF化粧品で多い勘違いの1つに配合量が多ければ多いほど良いという間違いがあります。
化粧品メーカーによっては、配合量が多いことを他社との比較などで謳うメーカーがあったため生まれてしまった誤解かもしれません。

しかしながら、EGFは多ければ多いほど良いというわけではありません。
正確に言えば、多くても全く問題はないが、仮にどれだけ多くつけ過ぎたとしても、EGFは必要な分だけしか肌には浸透しないのです。

そのため、付けすぎなどによる肌への悪影響や副作用的なものの心配もない一方、たくさん配合されているからといってその分だけ恩恵を受けられるというわけではありません。

多く摂取した分はその分だけ体外へと排出されてしまいます。
多ければ多いだけ効果があるというわけではありませんので、注意しておきましょう。

敏感肌や特にアトピー性皮膚炎の方は注意も

ただし、敏感肌やアトピー持ちの方は注意しておきましょう。
EGFが肌への悪影響がないと言っても、化粧品にはEGFだけが配合されるわけではありません。

EGF以外にも色々な成分を配合して成り立ち、その中には添加物などが含まれる事もあります。
そういった場合、敏感肌の場合はそれらの添加物に反応してしてしまう可能性もあります。

EGF化粧品だから大丈夫といった考え方ではなく、EGF以外の成分や添加物の有無などもチェックするようにしましょう。

また、アトピー性皮膚炎の方は肌への浸透が角質層のすぐ近くまで伸びていく事で逆に刺激に敏感になりかゆみやニキビなどの吹き出物が出てしまう事もあります。

一般的な健康肌には無影響で刺激にならないけれども、敏感肌やアトピー性皮膚炎の肌の場合は過剰反応をしてしまう場合もあるため、注意しておきましょう。

広告などでよく見るノーベル賞受賞成分という表記について

EGFが紹介される際に、ノーベル賞受賞成分として謳われることが多くあります。
まだ何も知らないと、え?あのノーベル賞を受賞した成分って事は凄い成分なのかも!と思うかもしれませんがこれまた注意が必要です。

確かにEGFを発見したコーエン博士はノーベル賞を1986年に受賞しています。
しかしながら、そのノーベル賞を受賞した時の理由というのが「EGF(などの成長因子)の発見」という理由からの受賞になります。

あくまでも、重要なたんぱく質の1つのEGFを発見した事によって、ノーベル賞を受賞しているのであって、EGFそのものが受賞したわけではありません。

もちろんEGF自体が優れた成分の1つである事は間違いないですが、EGFの成分自体が凄いといった理由や、EGFの成分そのものがノーベル賞を受賞したわけではありません。

そのため、厳密に言えばノーベル賞受賞成分のEGFというのは誇大表現でもあり誤りです。
正確に言うなら、ノーベル賞受賞をしたコーエン博士が発見したEGFというのが正しい表記になるのかもしれません。

ただ化粧品メーカーも商売のため、多少ごまかしながら他社がやっているから負けじと同じような表記をし、それが業界スタンダードになってしまった…というのが実情です。
ノーベル賞受賞(したコーエン博士が発見した)成分のEGFという使い方をしています。

くれぐれもここは注意しておきましょう。

このテーマに関する管理人からのワンポイントメッセージ

今ではEGF化粧品というのは増えて身近になってきました。
ですが、EGFの配合量までしっかりとチェックしているという人はまだまだ少ない気がします。

とはいえ、今ではEGFが有名になったこともあり、しっかりと配合量も協会のガイドラインに沿った配合量をしているところが多くなってきてはいます。
それでもしっかりとチェックするに越した事はないです。

EGFはFGFと一緒に使う事でより効果が発揮できる成分にもなりますし、非常に優れた成分でもありますからしっかりと配合化粧品を見定めて選びたいですね。

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